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本校の教材教具

225 弁別用木枠(2択用)

「弁別」と言っても、「机上で自分で分ける」「紙の上に置き分ける」「箱に入れ分ける」など様々な方法があります。机上に紙がある、というだけでも子どもは分けやすくなります。

  
また、「箱がある」と、一気に弁別がしやすくなります。箱を色分けするとさらに弁別しやすくなりますし、箱の高さが違うと難易度が変わってきます(基本的に、箱が深ければ深いだけわりやすくなる)。

 
一方、手の操作が難しい子どもにとっては、「箱に入れる」ということが大きなハードルになってきます。むしろ、「机の上で自分で分ける」方がやりやすいかもしれません。この辺はケースバイケースということになるのですが、一工夫したのがこの教材です。

 
5センチの厚みの板(5mmのMDF板を10枚重ねる)を丸くくりぬき、弁別用の枠にしてあります。穴を開けるために使用したのは電動糸鋸です。こうすることで、子どもは教材を「落とす」ことで弁別できるようになり、こどもの負担が大きく軽減されます。

(本校支援部)

224 3×3円柱入れ

220、221で紹介した円柱入れをさらに発展させたものです。3×3。ここまでくると、必要とされる子どもの空間把握力は相当なものになってきます。

  
また、221で紹介した3×2の円柱入れですが、2つ並べて、「見本と同じように入れる」位置把握の課題としても用いることもできます。ここで、円柱が枠に完全に埋まりこんでいるということが重要です。円柱が「入っている/入っていない」ということを、触って確かめやすくなるからです。

(本校支援部)

223 具体物の型はめとその選択

皿、はさみ、スプーンなど、身近な具体物を型はめ化したものです。それぞれ、具体物がぴったりと入るだけの高さになるように、土台の高さを調整してあります。

  
この教材は単に「型はめ」として用いるだけでなく、視覚障害のある子の「選択」のための教材としても考えています。つまり、「お皿を取って」「はさみを取って」などと言われても、子どもにしてみると「選ばなければならない」ということが曖昧です。そのため、具体物を型はめ化し、「この枠に入れるものを選ぶ」と活動の目的を明確化することにより、子どもの「選ぼう」とする意欲を引き出すことができます。

(本校支援部)

222 3×2円柱入れ

前回紹介した円柱入れの発展版になります。3×1で終わらず、奥行きを追加して「3×2」の円柱入れになっています。


横置きにして使うことを想定していますが、縦置きにした場合、2×3となります。こうすると「点字」と同じ配置になります。視覚障害のある子の、点字の習得に向けた基礎教材としても考えています。

(本校支援部)

221 2×1 3×1円柱入れ

直径40mm、高さ40mmの円柱を用いた教材です。厚さ5mmのMDF板を8枚重ねて、土台にしています。「206ボール落とし(5連)」などよりも、より細やかな手指の操作が必要となります。


ペグの高さと土台の高さがそろえてあるため、ペグがぴたりとはまりこみます。そのため、見え方につまずきがある子も、「ここに入れた」「ここに穴がある」ということを、触って確かめるということがしやすくなります。この教材は、横に入れていく数が増えれば増えるだけ、難易度が上がっていきます。

(本校支援部)

 

220 〇の型はめ用ガイド

218と同様、子どもが型はめをしやすくするための工夫になります。手が動かしにくい子の場合、枠の中央にペグを持って行くのが大変で、枠から落としてしまったり、頑張れば頑張るだけ全身の緊張を強めてしまったり…ということがあります。

ガイドの第1弾としては、枠を入れ子状にして、ペグが落ちないようにします。入れ子状にすると枠そのものが重くなるので、安定するという効果もあります。

そしてさらに、もう一つのガイドを追加します。枠の面を限定することで、子どもが穴に向けて手を動かしやすいようにしていきます。このように子ども一人一人の、その時の状況に応じた支援を行うことで、子どもの「できた」「やってみよう」という気持ちを引き出すことができます。

(本校支支援部)

219 中心に支柱の入った、正三角形の型はめ

今回紹介するのは、中心に支柱が入っているため、「ぐるぐる回していれば、いつかは入る」正三角形の型はめです。

 

「型はめパズル」は子どもにとって「はまった」「できた」ということが分かりやすい教材ですが、手を動かしにくい子にしてみると、入れようとしてもなかなか入らない…ということがあります。今回紹介する型はめの場合、「ペグがどこかに行ってしまう」ということがなく、少しの操作で型にはまりこみます。そのため、これならできる!と子どもの主体的な手の動きを引き出しやすい教材になります。

 

なお、中心に支柱を入れる型はめは、どの図形でもできるというわけではありません。正円ではできませんし、正方形も難しいです。やはり正三角形、あるいは長方形が向きます。

(本校支援部)

218 枠に完全に埋まりこむペグさし/弁別用

前回の続きになります。ぴったりとはまりこむペグさしですが、これをさらに発展させたものが円柱と、角柱のペグさしです。形の2択になります。いずれも高さは5センチ、穴の深さも5センチで、ぴったりとはまり込みます。また、円柱と角柱の大きさを調整してあり、円柱は丸い穴に、角柱は四角い穴にしか入らないようにできています。

 

形の弁別ということであれば、わざわざペグさしにしなくとも、型はめパズル(下の写真は厚さ1センチでピッタリとはまるもの)で十分ではないか、と思われるかもしれません。

しかし子どもによっては1センチくらいの深さでは「はまった」感覚が足りず、活動が「終わった」とわかりにくく、一度はめたものをまた取ってしまうということがあります。ペグさしのように深さ5センチともなれば「入れた」感覚、「終わった」という理解はより明確になります。そのために用意している教材です。

(本校支援部)

217 枠に完全に埋まりこむペグさし

肢体不自由の特別支援学校には身体の動かし方が苦手な子どもたちが在籍していますが、「見え方」についてもつまずきのある子どもたちがいます。さて、「ボールを落とす」「型はめをする」といった学習を行う場合、基本的には「見て」できたかどうかということを確認していきます。

 

しかし、見ることそのものが難しい子どもの場合、どうでしょうか。見ることが難しいわけですから、この場合は「触って」確認することになります。

ところが、多くの教材には凹凸があり、触っただけではなかなか「入っている/入っていない」「まだある/もうない」といったことが確認しにくいということがあります。

 

そこで、ペグさしなどでは、土台の穴の深さをペグと全く同じにしてしまいます。そうすると全部入れ切ったときに教材の表面の凹凸がなくなり、できたかどうか、こどもが自分で触って確かめやすくなります。

(本校支援部)

216 ステンレスのボウルを入れたダストボックス

例えば、プラスチック製のボール(『くるくるチャイム』で用いるもの)を入れるとして、「布袋に入れる」のと、「金属製の缶に入れる」のとでは、どちらの方が子どもは「入った」ということに気づきやすいでしょうか。これはほぼ間違いなく、「金属製の缶に入れる」方が気づきやすいはずです。入れる際に音、振動といった結果が伴うためです。気づきすぎて、びっくりしてしまうかもしれません。

 

子どもが物を「入れる」ということを学習するにあたっては、この「自分の行動」とその「結果」がわかりやすいということ、すなわち因果関係が明確であるということが重要になります。そのためには同じ「ボールを入れる」ということであっても布製のボールよりもプラスチック製、木製、金属製のボールの方がわかりやすいです。また、箱の側としても、できるだけ硬い素材、そしてできるだけ深いものの方がわかりやすい、ということになります。深ければ深いだけ、落ちる際に勢いがつきます。

 

そうすると、昔ながらの金属製のダストボックスが候補としてあがってきます。しかし最近ではなかなか見かけませんし、子どもの手が触れる部分が金属だと、冷たさから子どもが手を引っ込めてしまうかもしれません。

 

そこで工夫したのがこの教材になります。百円均一の店で購入したプラスチック製のダストボックスの底に、同じく百円均一の店で購入したボウルを敷いてあります。ちょっとした工夫なのですが、子どもが見通しを持って手を使っていくための支援のひとつです。

(本校支援部)