84 箱椅子の活用
今回紹介するのは、収納としても使える椅子です。様々な種類のものが市販されていますが、取っ手がついているものの使い勝手がよいようです。今回は、この箱椅子の活用例を紹介していきます。なお、箱椅子の中には大量の本が入っており、子どもの力では動かせないようになっています。
筋疾患のあるお子さんは、どうしても背中を反り返らせることで姿勢を保持しがちです。そのため、長時間座る際には、教員そのものが椅子となり、背中に身体を預ける、ということを学んでいく機会にすることがあります。
胸郭の動きを引き出すこと、反射の抑制、脊柱をニュートラルな位置に保つといった観点から、うつ伏せでの休憩姿勢を作るということが重要な子どもがいます。箱椅子を駆使し、膝の高さを調整することで、気軽にうつ伏せになれることがあります。
箱椅子が安定していることを利用し、膝立ちの支えにしています。毎朝行うカバンからの荷物出しの中にも、身体の動かし方の練習、自立活動の視点を取り入れています。
車いすの移乗動作へのステップとして、箱椅子に這い上がるという練習も行います。また、この流れで66~67で紹介した鉄球入れの活動なども行っていきます。
教室の一角に子どもが安心して座れる場所を作る、バランスボールを固定するといったこともできます。
(本校特別支援教育コーディネーター)