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152 シリコンスプーン

身体を動かしにくい子どもにとって、食事の際に使う道具をどうするか、ということも重要な視点になります。食事を自分で食べる、すなわち自食する際に食具に求められることと、誰かに食べ物を口元に運んでもらう際に食具に求められることでは、その内容が大きく変わってきます。今回は、食べ物を口元に運んでもらった際に便利なスプーンを紹介します。

 

 

 

 

 

 

このスプーンの素材はシリコンになります。食べ物を上手に取り込むことが苦手な子どもの場合、金属製のスプーンだと歯がガチリとあたって、口腔内が傷つくことがあります。シリコン素材の場合、子どもも安心して口を閉じることができるわけですが、噛む力が強すぎると、スプーンそのものを噛みちぎってしまうこともあります。何にしてもそうですが、道具は子どもの実態に合わせて選んでいきます。

スプーンを選ぶポイントとして、本校の自立活動専任教諭からは2点があげられています。①スプーンのボール部の幅が口に合っているか。②スプーンのボール部の深さが浅めで、上唇で一回で取り込める深さになっているか。迷ったら、「浅め」を選べばよいとのことです。

 

 

 

 

 

 

 

子どもの摂食の練習という視点に立つと、おそらくは大人が想像する以上に、子どもにとっての「適切な量」は少な目であるようです。すなわちスプーンの先に少しだけ、というくらいです。

なお、モデルの口の大きさからすると、上記のスプーンはそれでもまだ大きめです。繰り返しますが、「良いスプーン」は子ども一人一人にとって違うものです。スプーンを使う目的によっても変わってきます。その日、その時、その場面に応じて、適切なものを選択していきましょう。

(本校特別支援教育コーディネーター)