167手段をつなげる学習(ボウリング)
室内で手軽に行える活動として、ボウリングがあります。ボールを転がす→ピンを倒す、という活動ですが、シンプルなようでいて、奥の深い活動になります。
いきなりですが、「ボールを転がす」ということは、活動の目的ではありません。活動の目的はあくまでも「ピンを倒す」ことです。当たり前のようですが、「『ピンを倒す』ために『ボールを転がす』」ということは、子どもにしてみると「活動の手段と目的を分離させる」ということになります。これは実は、かなり難しいことです。
他に「手段と目的が分離している」状況を考えてみると、例えば「水を出すために蛇口をひねる」「食べるためにスプーンを持つ」といった場面があります。これらも、「蛇口をひねる」ことが目的ではありませんし、「スプーンを持つ」こと自体が目的ではありません。あくまでも水を出すこと、食べることが目的になります。さらに手段と目的が分離していけば、「ごはんを食べるために、手を綺麗にするために、水を出すために、蛇口をひねる」といったことになるでしょう。これらの手段をいくつつなげていけるかということが、いわゆる「見通しを持って活動できる」という力になってきます。
ボウリングに話を戻しますと、目的はピンを倒すことです。ですので、一番簡単な取り組み方を考えると、「手で直接ピンを倒す」ということが考えられます。これだと、活動の手段と目的とがイコールですので、子どもにとってもわかりやすい、見通しが持ちやすい活動になります。続いて、「ボールを転がしてピンを倒す」というのがあります。ここで見通しが持ちにくい子どもの場合、ボールを触ったり回したりすること自体が目的になりがちで、なかなか「倒すために転がす」というところに行きにくくなります。
逆に言うと、ボウリングのように「ピンが倒れる」という目的がわかりやすい活動の中で、活動に見通しを持つこと、手段と目的を分離していくこと、複数の手段をつなげていくことの練習をしていきます。そこで身につけた力を発揮して、「手を洗うために、水を出すために、蛇口をひねる」等の、生活の中での、見通しを持った活動が広がっていくことになります。
(本校特別支援教育コーディネーター)