127各種スイッチ教材と因果関係の理解
「48積み木倒し」「72押したら鳴る教材」でも物事の因果関係の理解に向けた教材を紹介してきました。因果関係の理解というのは、「ボタンを押したらブザーが鳴る」「積まれている積み木を触ったら倒れる」といったように、「何かをしたら」「何かが起きる」ということに見通しが持てるということです。
因果関係の理解は様々な教材を通して学ぶことができますが、今回紹介するのはスイッチによるものです。スイッチ教材といっても、様々なものがあります。前半の「何かをしたら」ということについては、レバー式のもの、ボタン式のものなど。また、「何かが起きる」ということについては、「ぬいぐるみが動く」「扇風機が回る」「音が出る」など。それらの組み合わせにより、子供にとっての分かりやすさが変わってきます。『Ⅰ手や目を使う基礎を整える教材』として使うことを想定しています。
例えば「赤外線センサーで水が流れるトイレ」があるとします。これもある意味スイッチ教材の一種であるわけですが、子供にしてみると赤外線センサーよりも、レバーを倒したり、ボタンを押したりした方が「自分が何かをした」ということに気づきやすいでしょう。したがって、「赤外線センサーで水が流れるトイレ」などは因果関係の理解がわかりにくいということになります。
また、ボタンを押すようなスイッチだったとしても、その結果が「ボタンを押して10秒後に、ぬいぐるみの目が一瞬だけ動く」といったものだったらどうでしょう。これもまた、子供にとって因果関係の理解がわかりにくいということになるでしょう。
「何かをしたら」「何かが起きる」ということについて、子供にとってわかりやすいものから、徐々に学習を積み上げていきます。それらの小さな見通しの積み重ねが、毎日の生活の中での、見通しを持った行動につながっていきます。
(本校特別支援教育コーディネーター)