教材紹介⑲「つまむ用のおはじき」
今回紹介するのは、前回同様に特に字を書くことに直結する、手の使い方の学習用の教材です。『Ⅳ文字や数を身につける際の教材』として使うことを想定しています。
箸や鉛筆といったものの使い方を練習する際、もっともシンプルなのは「箸や鉛筆を繰り返し練習する」ことです。しかし、いくら練習していっても、なかなか上手にならないことや、独特で動かしにくい手の使い方を学習してしまうことがあります。十分に手の使い方の基礎が整っていないままに細かすぎる操作を行っているためです。箸や鉛筆を用いていくのであれば、親指と人差し指を伸ばし、中指・薬指・小指を曲げて『ピストル』の形を作れるくらいに手指が使えているとよいでしょう。
実際の手指の使い方の練習ですが、⑱で紹介したボルト外しのほか、粘土遊び、おもちゃの操作など、様々なものがあります。ここで紹介するのは「おはじき」を使ったやり方で、おはじきを一つずつ、つまんでいきます。つまんだおはじきは、もぞもぞと手を動かして、薬指と小指に送り込んでいきます。親指と人差し指でおはじきを操作し、薬指と小指で保持し、中指がそれらの仲立ちをしていきます。薬指と小指にいくつかのおはじきをためこんだら、今度はまたもぞもぞとおはじきを人差し指と親指の方に送り出していき、容器に戻していきます。これらの一連の流れを行うことで、各指の分離した使い方を学んでいきます。
※何枚かの硬貨を持って、一枚ずつ自動販売機に入れていく際などにも必要な力となります。
(本校特別支援教育コーディネーター)