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147単語、文指導のステップ その1

143回では「〇×でのプリント回答システム」を紹介しました。今回は、「53~55文字を読み上げるためのカード」などを用いて一文字ずつを読み上げられるようになってから、簡単な文を読み取れる、あるいは「145こしとくひらがなアプリ」などで文を作れるようになるまでの学習を追っていきます。

「子どもに発語があり」「一文字ずつを読み上げられれば」それで即、作文ができるようになるかというと、そうはスムーズにいかないことが多いです。そこには「文字を読み上げる」ことと「文字を読んでわかる」のは違うということ、「文字を読むこと」と「文字を書く(打つ)」ことは違うということ、という2つの視点があります。

 

 

 

 

 

 

「58 文字の意味を取る教材」でも紹介しましたが、えてして起こりがちなのが、子どもが「りんご」の単語カードを「り」「ん」「ご」と一文字ずつ読み上げたとき、教員が「そうだね、『りんご』だね」と言っているケースです。この場合、子どもは自分自身で「読んだから」頭の中にリンゴのイメージが浮かんだのではなくて、教員が口にした言葉を「聞いて」イメージが浮かんでいる、ということがあります。すなわち、良かれと思って教員がやっていることが、子どもの学習の妨げになっているというケースです。

これを防ぐためには、教員が「りんご」と言ってしまうのは避け、「そうだね、じゃあ『それ』って」どういうもの?」といった発問をする必要があります。「うし」「はさみ」など身振り化できるものであれば、「そうだね、じゃあ『それ』をやってみて」といった問いもありえます。そうしてみると、意外なくらい、子どもは単語を読み上げていても、その意味がわかっているとは限らないということがわかります。十回ぐらい同じ単語を繰り返し読み上げてようやく意味としてつながったり、「動物だよ」「食べ物だよ」といったヒントがあってはじめて意味としてつながったりする子もいます。

教員の言葉を「聞いて分かる」力と、自分で「読んでわかる」力との間には、格段の開きがあります。「読む」となると、一文字ずつならわかっても、単語になったとたんに意味としてつながらなくなる子どもがいます。また、「うし」「うま」のような二文字単語なら意味として捉えることができても、「あひる」「きりん」などのように三文字単語になったとたんに難しくなる子もいます。

(本校特別支援教育コーディネーター)