169穴を見分けて入れる
例えば、「ボールを入れる」課題が達成されたとして、「目や手を育てる」ための次の課題としてはどのようなものが考えられるでしょうか。例えば電池のような「円柱を入れる」課題。丸の型はめ。磁石のついたカードをホワイトボードに貼る課題。球と輪を見分ける課題、といったものが考えられます。
今回紹介するのは、「ボールを入れる」課題の一歩先の1つ、「穴を見分けて入れる」課題になります。ここでは、複数ある容器の1つだけに穴が開いていて、そこを見分けて入れていきます。最初は2つの選択肢から始めていき、3つ、4つと選択肢を増やしていきます。子どもは最初は手探りで、「あれ?入らないな」と試行錯誤するかもしれませんが、次第に目を使って、試行錯誤することなく入れるようになっていきます。
なお、選択肢が3つある場合、子どもが一番捉えにくい位置はどこでしょうか? 非利き手側? と考えたくなるところですが、ほとんどの場合は「真ん中」です。これは3つの選択肢だと大人からは実感しにくいところです。しかし5、7、9、11と選択肢を増やすにつれて、「端の方が捉えやすいこと」「『真ん中』というのがことのほかわかりにくいこと」を実感できると思います。これはカードとか、掲示物とか、さまざまなものを子どもに見せる時も同じで、ちょっとした提示の仕方の違いで、子どものわかる/わからないが分かれていきます。
(本校特別支援教育コーディネーター)