216 ステンレスのボウルを入れたダストボックス
例えば、プラスチック製のボール(『くるくるチャイム』で用いるもの)を入れるとして、「布袋に入れる」のと、「金属製の缶に入れる」のとでは、どちらの方が子どもは「入った」ということに気づきやすいでしょうか。これはほぼ間違いなく、「金属製の缶に入れる」方が気づきやすいはずです。入れる際に音、振動といった結果が伴うためです。気づきすぎて、びっくりしてしまうかもしれません。
子どもが物を「入れる」ということを学習するにあたっては、この「自分の行動」とその「結果」がわかりやすいということ、すなわち因果関係が明確であるということが重要になります。そのためには同じ「ボールを入れる」ということであっても布製のボールよりもプラスチック製、木製、金属製のボールの方がわかりやすいです。また、箱の側としても、できるだけ硬い素材、そしてできるだけ深いものの方がわかりやすい、ということになります。深ければ深いだけ、落ちる際に勢いがつきます。
そうすると、昔ながらの金属製のダストボックスが候補としてあがってきます。しかし最近ではなかなか見かけませんし、子どもの手が触れる部分が金属だと、冷たさから子どもが手を引っ込めてしまうかもしれません。
そこで工夫したのがこの教材になります。百円均一の店で購入したプラスチック製のダストボックスの底に、同じく百円均一の店で購入したボウルを敷いてあります。ちょっとした工夫なのですが、子どもが見通しを持って手を使っていくための支援のひとつです。
(本校支援部)