83 数量の取り出しの教材 その2
前回の続きになります。これまでも繰り返しお伝えしてきましたように、「できた」「できない」を子供自身が確認できるという状況を作っていくことが重要となります。教員が「合っている」「合っていない」を教えていくと、子どもは教材ではなく、教員の顔色を見て正誤を判断するようになってしまいます。
例えば、ということで手軽に用意できるのが、百円均一の店で売っている鶏卵のホルダーです。中身の、黄色い部分だけを使うことが多いです。このホルダーは10個入りであることが数の学習に向いていて、子供は取り出した具体物をホルダーに置いていき、数量を確かめます。
一定の数量を繰り返し取り出す、という学習も行います。毎回「いち、に、さん」と数えながら数量を取り出しているのでは十分に身についているとは言えず、数えるまでもなく数量を捉える力を、手の感覚として身につけていきます。
いずれにしろ、「3取って」と言われながら4つ掴んでしまった場合、全部置きなおして最初からやり直すのではなく、手の中にある具体物を1つだけよける、といった力が重要となります。
子どもの数量の感覚は比較的3までは身に付きやすいのですが、4以上となるとなかなか難しいことがあります。5以上の数量を感覚的に捉えるのは大人でも難しいので、6からは「5といくつ」という風に捉えるようにおぼえていきます。数量の5のまとまり、10のまとまりをつかむ力が、数の概念の中でも、特に重要な力となってきます。
そのため、さまざまな数量の中でも、特に「5を取り出す」力は大切です。石を取り出して5個ずつセロテープでまとめる、棒を取り出して5本ずつ輪ゴムでまとめるなど、「5」という数量の感覚を手でつかんでいきます。
76~78で紹介したように、磁石の反発を利用したやり方で、指定された数量しか入らない枠というものもあります。合っているのかどうかを磁石の反発という手ごたえ(固有感覚)が教えてくれるので、子どもが自分自身で答えを確かめることができます。
(本校特別支援教育コーディネーター)