184数量のマトリクス 改
数量と形のマトリクスにつきましては、23「色と形以外のマトリクス」で紹介しました。ここではすいか、みかん、りんごを用いていますが、〇△□のもの、キャラクターの絵を用いたものなどのバージョンがあります。
これらの数量のマトリクスについてですが、そのメリットは大きい(少ない動きで学習できる等)ものの、本当にこれらで数量の理解が深まるのだろうか?という疑問もありました。そこで、改良を加えたのが以下の教材になります。
「5でぴったりになる」棒を3×5に配置し、〇△□の積み木に穴を開けて棒に通せるようにしてあります。この棒はいわゆるダボで、直径8ミリ×長さ60ミリ。各積み木は厚さ10ミリで、〇が直径40ミリ、△が一辺45ミリ、□が一辺40ミリです。それぞれ中央に直径10ミリの穴を開けてあります。結果、高さを駆使することにより、数量を感覚的に掴みやすい教材となりました。また、似たような市販の教材もありますが、マトリクスの中に組み込んだために、「表札」の位置を自由自在に変えることができます。さらには手をたくさん使うため、手の使い方の練習としても効果的な教材となりました。
一方、メリットとデメリットは表裏一体とも言えます。手の使い方がとても苦手な子どもにとっては、扱いにくい教材ともなりました。この新型の数量のマトリクスがよいか、それとも従来通りの高さのない数量のマトリクスがよいか、それらは子ども一人一人によって、学習の目的によって変わってきます。
(本校特別支援教育コーディネーター)