170さわってわかるひらがな
文字の学習は、これまでも様々な機会に紹介してきました。「目で見分ける」学習と、「音を聞き取る」学習とが合わさって、「文字を読む」ことができるようになっていきます。しかしながら身体の動かし方が苦手な子どもの中には目を使うことが苦手な子どもも多く、「あ」「め」「ぬ」、「り」「い」「こ」、「れ」「ね」「わ」といった各文字の見分けがつきにくい、といったつまずきが見られることがあります。
これらのつまずきに対する支援として、「目で見る」だけでなく、文字の形、とりわけ「す」「ぬ」「ね」のように複雑に線が交差する文字について、それらの線を「触って」確認できるようにする、といったことが考えられます。具体的には線の交差が実感できるように「モールで文字を作る」「粘土で線を作って文字を作る」といったことです。今回紹介するのは市販の教材で、文字の線が単に印刷されているだけでなく、ざらついていて、線を指で辿る中で触覚的にも感覚が入ってくるようになっているものです。
学習は見るだけ、聞くだけではなかなか進んでいきません。実際に身体を動かすこと、複数の感覚を活用しながら学んでいくことが重要なのですが、身体の動かし方につまずきがあると、そこが難しくなりがちです。教材教具を工夫する中で、それぞれの子どもの学びやすさを追求していきます。
(本校特別支援教育コーディネーター)