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70 さまざまな反射と教材教具(対称性緊張性頸反射)

前回まで紹介してきた「緊張性迷路反射」と一緒に起こることの多い反射で、「首の(前後の)角度をきっかけに」「緊張が入る」「反射」です。似たような名前の反射に「『非』対称性緊張性頸反射」がありますが、これは首の左右の角度によって緊張が入ります。

この反射も人類が進化してくる過程で獲得してきた反射で、

・首が前方に傾くと上肢が屈曲して下肢が伸展し

・首が後方に傾くと上肢が伸展して下肢が屈曲します

 

 

 

 

 

 

仰向けになると首がのけぞることが多いし、うつ伏せになると首が前方に傾くことが多いので「緊張性迷路反射」と連動しやすいのですが、あくまでも首の角度に依存しているので、枕を入れるなどして首の角度を変えることで調整することができます。

 

この反射が強く出ていると、教材に手を伸ばそうとしたときに、どうしても見続けることができず、首を後方に傾けながら手を伸ばさないといけないという状況になります。やはり、66~67で紹介したような、床のボールを拾うような活動が効果的かもしれません。一方、この反射は首を前後に動かすことで手足を交互に「曲げる」「伸ばす」ことができるので、これを利用して室内を移動する子もいます。「バニーホッピング」です。

 

子どもには様々な反射があり、学習や生活に必要な身体の動きに影響しています。それぞれの反射が良い、悪いというのではなく、子どもたち一人一人の生活に合わせて利用するときは利用し、強く出すぎて子どもがそれに困っているときは調整していく、ということになります。

(本校特別支援教育コーディネーター)