ブログ

2020年4月の記事一覧

教材紹介㉑「車いす用のテーブルの再利用」

車いすを作る際、作業用のテーブルを用意することがあります。基本的にテーブルはその車いす専用のものとなるため、新しく車いすを作る際にはかつてのテーブルが余ってしまう、ということになりがちです。今回は、そんなテーブルを再利用した例を紹介します。あらゆる発達のステージで使用することを想定しています。

 

車いす用のテーブルですが、そのほとんどが身体に合うようにカットされているため、椅子の足さえつけてしまえばそのままカットテーブルとして使用することができます。ここでは前方に2本の足を追加し、クッションチェアでも作業がしやすいようにしてあります。4本の足をつければ、ちゃぶ台になります。

 

 

足は塩化ビニールのパイプを使用しており、簡単に取り外しを行うことができます。用途や、子どもの身体に合わせて部品を組み合わせ、高さを調整していきます。

 

 

 

 

 

 

なお、土台につけている塩ビパイプのパーツが直径約46ミリで、市販されている45ミリや50ミリの面取りドリルでは合いません。そのため、45ミリのドリルで土台用の木(百円均一の店のMDF材を重ねたもの)に穴を開け、そこに電動糸鋸の刃を通して1ミリ分ほど拡張しています。

 (本校特別支援教育コーディネーター)

教材紹介⑳「飛沫感染防止用パーテーション」

これまで紹介してきた教材は、その多くが支援者と子どもが一対一で向かい合って学習する際に使われるもので、感染症の流行時には相互の飛沫感染が心配な面があります。そこで、今回紹介するのはその飛沫感染を予防するためのパーテーションです。おそらく教室内のカーテンレールにビニールを下げるだけでも効果があると思われますが、教室内の様々な場所で使うために木製の土台と塩化ビニールのパイプによる枠を作り、そこから透明なビニール袋(90リットル入りの物を切り開いたもの)を下げています。あらゆる発達のステージで使用することを想定しています。

 

 

 

 

 

 

ビニールは周囲を梱包用テープで補強しているほか、教材を子どもに渡しやすいよう、下部を四角く切っています。また、ビニール袋の固定は洗濯ばさみで挟んでいるだけで、机の高さに簡単に合わせられるようにしてあります。土台は百円均一の店で6枚セットで売っている10センチ四方のMDF材を何枚か重ねて使用しています。ここでは45ミリのドリルで穴を開け、少しだけ電動糸鋸で穴を広げて塩ビパイプが入るようにしています。

 

 

 

 

 

 

(本校特別支援教育コーディネーター)

教材紹介⑲「つまむ用のおはじき」

今回紹介するのは、前回同様に特に字を書くことに直結する、手の使い方の学習用の教材です。『Ⅳ文字や数を身につける際の教材』として使うことを想定しています。

 

箸や鉛筆といったものの使い方を練習する際、もっともシンプルなのは「箸や鉛筆を繰り返し練習する」ことです。しかし、いくら練習していっても、なかなか上手にならないことや、独特で動かしにくい手の使い方を学習してしまうことがあります。十分に手の使い方の基礎が整っていないままに細かすぎる操作を行っているためです。箸や鉛筆を用いていくのであれば、親指と人差し指を伸ばし、中指・薬指・小指を曲げて『ピストル』の形を作れるくらいに手指が使えているとよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

実際の手指の使い方の練習ですが、⑱で紹介したボルト外しのほか、粘土遊び、おもちゃの操作など、様々なものがあります。ここで紹介するのは「おはじき」を使ったやり方で、おはじきを一つずつ、つまんでいきます。つまんだおはじきは、もぞもぞと手を動かして、薬指と小指に送り込んでいきます。親指と人差し指でおはじきを操作し、薬指と小指で保持し、中指がそれらの仲立ちをしていきます。薬指と小指にいくつかのおはじきをためこんだら、今度はまたもぞもぞとおはじきを人差し指と親指の方に送り出していき、容器に戻していきます。これらの一連の流れを行うことで、各指の分離した使い方を学んでいきます。

※何枚かの硬貨を持って、一枚ずつ自動販売機に入れていく際などにも必要な力となります。

 (本校特別支援教育コーディネーター)

教材紹介⑱「ボルト外し」

今回紹介するのは、特に字を書くことに直結する、手の使い方の学習用の教材です。『Ⅳ文字や数を身につける際の教材』として使うことを想定しています。

 

 

 

 

 

 

ホームセンターなどで売っている、ボルトとナットの組み合わせとなります。子どもの手のサイズに合わせて用意していきます。箸を使う、鉛筆を使うといった「手の使い方」の発達を見ていくと、最初は手全体で物を掴んでいたのからだんだんと各々の指がバラバラに動かせるようになり、最後は親指と人差し指で物をつまめるようになっていきます。この際、よく見ていくと、手の指の中で「親指と人差し指は物を操作するために」使われ、「小指と薬指は動かす指を支えるために」使われ、「中指はその双方の目的で」使われていることがわかります。

 

このボルト外しでは、小指と薬指でボルトの本体を支え、中指、人差し指、親指でナットを回していきます。「ナットを外す」と目的を明確にする中で、支える指の動きと、操作する指の動きを分離させていくわけです。

 

 

 

なお、字を書く、箸を使うなどの際にどうしても小指と薬指が「浮いて」しまう場合、消しゴムの破片などを小指と薬指の中で持つことで、小指・薬指と、中指・人差し指・親指を分けて使うことがしやすくなることがあります。

(本校特別支援教育コーディネーター)

教材紹介⑰「球と輪の弁別」

今回紹介するのは、③の鉄球入れと、④の輪抜き課題で使った教材を組み合わせた学習活動になります。『Ⅰ手や目を使う基礎を整える教材』、あるいは『Ⅱ見分ける学習の教材』として使うことを想定しています。

球を筒に入れる、輪を棒に通す、コインを貯金箱に入れる、カラーコーンを重ねるなど、複数の教材を取り扱えるようになると、弁別の学習を行うことができるようになります。

「弁別」には、様々な視点があります。色の弁別、形の弁別、大きさの弁別、長さの弁別、季節の弁別、種類の弁別、陸海空の弁別等々。多くは、それらの違いを見分けていく学習です。

 

 

 

 

 

 

その中でも、最初に取り組みやすいのが「球との輪の弁別」のように、そもそも『失敗することができない』弁別となります。右の写真は色の弁別ですが、この場合、子どもは間違えたとしても間違えたこと自体に気づかないかもしれません。

一方、球は棒にささりませんし、輪は筒には通りません。子どもは手ごたえによって「おや?」と違和感に気づき、目で確認していくことになります。そして、試行錯誤的に入れていたのから、実際に試してみる前に「入りそう/入らなそう」ということがわかるようになっていきます。手をたくさん使うことから、目の使い方が育っていきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)