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2021年2月の記事一覧

113構文の学習用教材

「~が~を~する」といった、助詞を使って文を組み立てる学習があります。助詞の理解というのはことのほか子供にとって難しく、わかっているようでいて、実は正確には理解できていない、ということがあります。たとえば、「りんご」「いるか」「たべる」といった言葉を使ってできる文には

・A いるか が りんご を たべる(語順通りで、あり得ること)

・B りんご が いるか を たべる(語順通りで、あり得ないこと)

・C りんご を いるか が たべる(語順が逆転し、あり得ること)

・D いるか を りんご が たべる(語順が逆転し、あり得ないこと)

といったものがありますが、これらのうち子供が理解しやすいのは一番上のAの文です。実際のところ、子供がBやC、Dの文を聞いたり読んだりしても、Aの内容として理解していることがあります。

構文の理解、正確に助詞を理解するということは非常に難しく、丁寧に学習していく必要があります。今回紹介するのは構文を理解していくための教材の一つで、『Ⅳ文字や数を身につける際の教材』として考えています。

 

 

 

 

 

 

単語ブロックは3×9×1.5センチの木片に、磁石が内蔵されているものです。「が」「を」「に」といった助詞ブロックは3×3×1.5センチです。単語ブロックや助詞ブロックを並べていく枠は、A3大のMDF材をカットしたものです。単語3つ、助詞2つが入るようにくり抜いてあります。また、ホワイトボードを切ったものを内蔵していて、単語ブロックや助詞ブロックが貼りつくようになっています。

 

 

 

 

 

 

この教材を用い、

・教員がぬいぐるみ等を動かしたのを見て、子供が文を作る

・教員が作った文を読んで、子供がぬいぐるみ等を操作する

といった学習を行っていきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

112形態構成のバリエーション

形態構成、すなわち1枚絵を分割したパズルは基本的な教材であるため、「①形態構成」「104扱いやすい教材のサイズ その2」「107縦方向の形態構成」といったように何度も紹介してきました。今回もそのバリエーションの一つとなります。『Ⅰ手や目を使う基礎を整える教材』として使うことを想定しています。

形態構成の難易度を上げるのは簡単です。分割する数を増やせば増やすだけ難しくなります。文字や数を学習するなら6~8分割くらいはできていてほしいですし、大人でも、16分割あたりになるとかなり苦戦するでしょう。

一方で難易度を下げるにはどうすればいいでしょうか。当然、分割する数を減らします。二分割、あるいはそもそも分割しない(ただの四角い型はめパズルとなる)ということも考えられます。一方、この「無分割」パズルと「二分割」パズルとの間の難易度の違いはかなり大きく、子供によっては習得が年単位でかかるものになっていました。

 

 

 

 

 

 

そこで、「無分割」パズルと「二分割」パズルとの間に設定したのが右の教材となります。絵と絵の切片をギザギザにしてあるため、絵が合わない限り、パズルのピースは枠にはまりません。見て分かる前の、手ごたえに頼った学習になっています。

このように、子供がスモールステップで学べるように、様々な工夫を行っています。

(本校特別支援教育コーディネーター)

111文字入力装置の改良

⑫「トーキングエイドライト」でも紹介した文字入力装置です。今回は、それらの機器を使っていく際の工夫を紹介します。『Ⅳ文字や数を身につける際の教材』として考えています。

文字入力装置は、身体が動かしにくい本校の子供たちにとって、非常に重要な教材教具となります。一方では当然ながら文字を入力するためには文字の読みに熟達していることが必要で、「文字を打ってみたい、でも打ち間違えるのはしたくない」といった子供たちにとって、ハードルの高いものになっていました。

そこで、文字入力装置のカバーをはがし、サイズを合わせてラミネイト加工した50音表(「53文字を読み上げるカード その1」で紹介したもの)を挟み込んだのが以下の教材です。

こうすることで、どのボタンを押すとどの音が出るのか、文字だけでなく絵によっても判断することができます。このようにすることで、各文字の読みがまだうろおぼえの子供も、どんどんと文を作っています。

このような加工をするにはタブレット端末とアプリではなかなか難しく、「トーキングエイドライト」「ペチャラ」といった、専用の文字入力装置が活躍しています。

(本校特別支援教育コーディネーター)

110文字ブロックの改良

㊷「文字ブロック各種」では、子供が操作しやすい文字ブロックを紹介しました。今回は、さらにそれを改良したものを紹介します。『Ⅳ文字や数を身につける際の教材』として考えています。

 

 

 

 

 

 

以前紹介したものが左の写真で、今回紹介するものが右の写真となります。表面は変わっていませんが、以前紹介したものは裏面が磁石がむき出しになっていました。

 

 

 

 

 

 

今回紹介する教材の裏面には、その文字に対応する絵(「53文字を読み上げるカード その1」で紹介したもの)が貼り付けられています。そのため、子供は文字ブロックを並べていく際、その文字を何と読むのかということを確認しながら学習を進めていくことができます。ここでは、「あ」という文字を『あ』と読むのか『め』と読むのか悩んだとしても、裏面の絵を見ることで、それが『あ』と読むものであるということを自分自身で確認することができます。

(本校特別支援教育コーディネーター)