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2021年3月の記事一覧

117ジッパーの教材

衣服の着脱なども、本校における重要な学習内容となっています。一方で身体の動かし方につまずきがある本校の子供たちにとってはジッパーの操作などを実際の衣服で行おうとすると難しいことがあり、ジッパーの仕組みを知るために、教材を通して学ぶことがあります。『Ⅰ手や目を使う基礎を整える教材』として考えています。

 

 

 

 

 

 

木に固定されたウサギの口がジッパーになっており、リンゴやニンジンなどを入れ(食べさせ)たり、取り出したりします。これらの学習を通して、子供たちは基本的の手の使い方、道具の使い方を学んでいきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

116接続詞の学習用教材

「が」「を」「に」といった助詞が文レベルの学習だとすれば、「なぜなら」「だから」「しかし」といった接続詞は文と文をつなぐもの、すなわち文章レベルの学習となってきます。「113構文の学習用教材」で紹介しましたように、子どもにとって助詞を正確に理解するということはかなり難しい学習となります。接続詞は、さらに難しくなってきます。

次の文章は、実際に子供が書いたものです。

「おけしょうしたら おひめさまになれるのよ『でも』おひめさまになって プリンセスになるよ」

子供としては、おそらくは『だから』という意味で『でも』という接続詞を使っているのでしょう。この辺りは教えてあげたいところですが、ではどうやって教えていくか、となるとなかなか難しいところです。今回紹介するものは、『Ⅳ文字や数を身につける際の教材』となります。

 

 

 

 

 

 

2つの文を読み上げ、間に入る接続詞を選択していきます。文だけでは十分に状況をイメージしきれない場合、絵を見て確認していきます。「くじらはおおきいです。〇〇〇、ぞうもおおきいです」「くじらはおおきいです。〇〇〇、きんぎょはちいさいです」。非常に繊細な言語感覚ですが、できるだけ状況を目に見えるようにしたうえで学んでいきます。

 

 

 

 

 

 

(本校特別支援教育コーディネーター)

115ブタコイン

あらゆる子供の学習において、基礎的な内容となるのが、ボールを「入れる」積み木を「はめる」輪を「抜く」といった、『物事を終わらせること』すなわち終点理解の学習となります。1つのことを終わらせることが、様々な物事に見通しを持つ力へとつながっていきます。

終点理解を主たる目的とした教材としては、「③鉄球入れ」「④一方向/多方向輪抜き」「⑥丸の型はめ」「⑦電池入れ」「⑪アクリル棒さし」「㉔カラーコーン重ね」「51スライドブロック」などを紹介してきました。今回紹介する通称「ブタコイン」もその一環で、『Ⅰ手や目を使う基礎を整える教材』として考えています。

 

 

 

 

 

 

具体物を「穴に入れる」ということを考えたとき、一番難易度が低いのはボールなどの球状のものでしょう。次に、電池などの円筒状のものになるでしょう。四角いもの、三角のものなどは角を合わせる必要があるため、難易度が上がります。

コインは、円盤状の形をしています。これを穴に入れる際には方向を合わせる必要があり、子供にとってはかなりの難易度となってきます。また、方向を合わせる際には手首をひねることになり、スプーン、フォークといったものを使う際の基礎学習ともなってきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

114栄養素のマトリクス

マトリクス(属性分類の表)は基本教材であるため、「②二次元属性分類(色と形のマトリクス)」「㉓色と形以外のマトリクス」「㉕三次元属性分類(マトリクス)」で紹介してきました。マトリクスは「色と形だけではない」というのはこれまでもお伝えしてきたのですが、今回は中学校の家庭科の授業における活用例を紹介します。『Ⅳ文字や数を身につける際の教材』となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

マトリクスというと基礎教材という印象がありますが、ここでは様々な栄養素を分類していくのに使っています。同じ学習を紙と鉛筆で「書く」ことでも行うこともできますが、こうすることで、子どもにとって負担を少なくして学ぶことができます。

(本校特別支援教育コーディネーター)