2021年8月の記事一覧
139箱椅子を組み合わせて作る平均台
バランスを取って歩く、というのは身体の動かし方が苦手な子どもにとって、非常に重要な課題です。安定した床の上を歩くだけでなく、その子の力に応じて、芝生の上を歩く、柔らかいマットの上を歩くなど、様々な面の上を歩いていきます。
発展的な課題として「平均台」があります。しかし通常の平均台は幅が狭いものが多く、歩行が不安定な子どもが使うにあたっては難しいところがあります。「巧技台」を組み合わせて平均台として使うというのもあるのですが、本校の備品にはありません(そのためイラストです)。そのため身近な物を活用していくのですが、例えば箱椅子(収納用のスツール)を使うという方法があります。本を大量に入れると重さと安定感がでるため、子どもにとって安心して取り組みやすくなります。なお、最初の段階では平均台は壁に沿って設置すると、子どもが不安感を持ちにくくなります。クランク状に設置するといった工夫もできます。
(本校特別支援教育コーディネーター)
138名画の分割パズル
一枚絵の分割パズルは、二分割のものからはじまり(二分割も、切片がぎざぎざのもの→まっすぐなものへ)、分割する回数を増やせば増やすだけ難易度があがっていきます。また、身近なキャラクターや家族の写真などを使えば子どもにとって取り組みやすくなります。
今回紹介するのは、意図的に、極端に難易度を上げた分割パズルです。およそ「ひらがなを見分ける基礎を育てる」といった目的であれば6~8分割のものができればよいのですが、チャレンジ精神が高く、難しい課題を好む子どものために作成されたものです。意図的に、子どもにとってなじみの少ない絵を選んでいます。なお、このパズルは大人であっても達成が難しく、10分以上かかっても作れない教員がいました。子どもが取り組む場合、下絵の上に重ねていくという形をとることになります。
高難易度のパズルとしては、名画を使う他にも「集合写真」などがあります。子どもにとって身近な物を教材にしていくのが教材づくりの基本ですが、必要に応じ、あえて身近でないものを使うこともあります。
(本校特別支援教育コーディネーター)
137数字と数量を対応させる型はめ
切片がぎざぎざになっており、数量と数字が正しく合わないとはまらないという、二分割パズルです。同じ二分割でも、一枚絵を二分割したものなどとは難易度が大きく異なります。
決してこの教材だけで数量と数字が対応できるようになるわけではないのですが、様々な数の学習の教材の1つとして押さえています。材料としては百円均一の店で扱っている、6枚セットのMDF板です。電動糸鋸で、フリーハンドで切断してあります。
なお、数字の読み方のヒントとして、数字の面の裏に、「136 数字の歌カード」で紹介した絵を貼りつけてあります。
(本校特別支援教育コーディネーター)
136数字の歌カード
数字が読めることが、数がわかるということではありません。数量(・ ‥ …)をことばに置き換えたものが数詞(イチ ニ サン)、数詞を文字に置き換えたものが数字(123)ですので、数の学習の基本は「数量がわかる」ということです。しかしながら、数字もまた、数の概念を構成する要素のひとつですので、学んでいく必要があります。
ここでは「53 文字を読み上げるためのカード その1」などと同様に、各数字に対応した絵がヒントになるようにしています。「♪かかしの…」「♪たぬきの…」といった、数字の歌をモチーフにしています。なお、算用数字において「数字のジュウ」は存在しないため(漢数字には『十』があるけれど、算用数字ではあくまでも「1」と「0」を使って『十』を表現する)、独自に「数字のゼロ」の絵を作っています。
(本校特別支援教育コーディネーター)