ブログ

2022年2月の記事一覧

164かずカード

市販品、百円均一の店舗で売られている学習用カードの活用例となります。

 

 

 

 

 

 

このカードは片面に数量、片面に数字が印刷されています。このカードを用い、例えば数量の弁別、数字の弁別を行うということが考えられます。数量を並べる、数字を並べるというのが次に来るでしょう。しかし「カードの持ちにくさ」「数量の配置が5のまとまりを意識しにくい」といった、気になる点もあります。そこで、いくつかの工夫を施したものが、以下の写真になります。

 

 

 

 

 

 

まず、「数カード」を2組用い、テープで巻いてしまうという工夫です。こうすることでカードに厚みが出て、子どもが取り扱いやすい教材となります。また、右の写真では、5を〇で囲み、「5といくつ」で6~10の数量を把握しやすいようにしてあります。

(本校特別支援教育コーディネーター)

163数量学習用の半具体物 その2

「⑭数量学習用の石(半具体物)」に続き、数量を学習するための半具体物の紹介です。半具体物というのは、さまざまな具体物から「数量」という属性を取り出して考えるためのものです。そういってもわかりにくいので実際の例を紹介しますと、例えば「イチ ニ サン」といった数詞や「123」といった数字が発明される前の時代、自分の家で飼っている牛と、隣の家で飼っている牛の数を比較する必要があったとします。

 

 

 

 

 

 

この場合、どっちかの牛を移動させ、一匹ずつつき合わせれば比較できますが、とても大変です。また、「イチ ニ サン」と数えられれば便利ですが、まだ数詞は発明されていません。そこで、昔の人は「石」「ひも」などの半具体物を使って具体物の「数量」を抽出するということを考えました。そうすると、遠く離れたもの同士、動かせないもの同士であっても、多少を比較することができます。

 

 

 

 

 

 

この時の、牛という具体物から「数量」という属性を抜き出すために使った石が、「半具体物」となります。石と限らず、棒でも、おはじきでも磁石でもタイルでも数ブロックでも積み木でも何でも構いません。⑭では百円均一の店で4個セットで売っている「ストーンアイスキューブ」を紹介しました。やはり、子どもたちの手の使いにくさを考えると、このストーンアイスキューブの「適度な重さ」「立方体であるため机上で安定すること」「サイズ感」といったメリットは大きく、コスト面からも使い勝手の良さが際立ちます。また、セロテープで固めて「5のまとまり」「10のまとまり」を作るのも簡単です。

 

 

 

 

 

 

一方、それだけを使っていると、「それだけが数である」という誤解も生みがちです。先に紹介した棒、数ブロック等の他にも、例えば押し入れの奥に眠っている碁石なども、子どもの手に収まりやすく、適度な重さがあります。この辺、使いやすい半具体物というのは子どもによって異なるので、一人一人の子どもに合ったものを探っていきます。

 

 

 

 

 

 

(本校特別支援教育コーディネーター)

162位置把握の提示法(3次元)

「161パズルボックス」では立体的に空間を捉えることについて紹介しました。今回は、13、16、96、106回で紹介してきた位置把握課題において、立体的に空間を捉える教材の提示の仕方を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

様々な位置把握課題がありますが、ここにあげているものは縦×横、もしくは高さ×横の、2次元的なものです。3次元的な位置把握課題となると、例えば縦×横×高さで立体的に積み上げた積み木を、同じように積み上げる、といったことが考えられます。ですが、これは手が使いにくい子どもにとっては非常に操作が行いにくい課題となります。また、見本の全体像が見渡しにくいということもあります。

 

 

 

 

 

 

そこで、右の写真のように、教材を提示するという方法があります。これは教材を作る段階で一定の長さのあるダボを利用しているため、穴が開いているペグをいくつか通して「高さ」を表現することができます。ペグを棒に差し込んでいるため、積み木のように倒れることもありません。

(本校特別支援教育コーディネーター)