お知らせ
ブログ

本校の教材教具

143ロープを引っ張る

「手で姿勢を支える」学習は、道具の使いやすさなど日ごろの生活や学習のしやすさに直結するだけでなく、転倒したときにとっさに手が出ることなど、歩行の安定といったことにもつながる重要な学習です。「高ばい」「雑巾がけ」「体育館の天井から下がったロープにつかまって揺れる」「上り棒にのぼる」「ジャングルジム」など様々な学習が考えられますが、身体の動きにつまずきがある子どもの場合、なかなか取り組むことが難しいです。

そんな中、例えば「大きなマットをロープで引っ張る」といった活動が考えられます。両手でロープを交互に引っ張り、たぐりよせていきます。重さは水の入ったペットボトルなどで調整しています。手の力だけでなく、体幹を整える学習ともなります。

 

 

 

 

 

 

活動のバリエーションとして、井戸のように、ロープを引っ張って天井まで物を上げる、というのもあります。この辺、バケツなどを使い、中に入れるものの重さで難易度を調整していきます。「天井に上げるまで」なので、活動の終わりもわかりやすいです。教室内で手軽に取り組める活動になります。

(本校特別支援教育コーディネーター)

142はさみの補助具

はさみを扱うにあたり、はさみそのものの操作も難しいのですが、問題になりやすいのは切る対象(多くは紙)をどのように固定するべきか?ということです。多くは教員が両手で引っ張り、紙が張ったところを子どもが切っていく、ということになるでしょう。しかし、やはりそれでは子どもが「自分自身で切った」という実感を持つことは難しいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

最初の工夫はこれです。木の板を2つ置いて、セロテープを使ってその間で紙を固定しています。これでも教員が木を押さえる必要があったので、木を切りぬいて専用の補助具を完成させました。およそ、「カスタネットばさみを自分で押せる」けれど「一人で切るのは難しい」くらいの手の操作の段階にある子ども向けとなります。

 

 

 

 

 

 

何枚か重ねて厚みをつけた板を、U字状にカットしてあります。やはり、セロテープで紙を固定します。板なので重みがあり、ちょっとした子どもの手の動きでは動かないようになっています。なお、この補助具を使った場合、「直線切り」はできるのですが、「曲線切り」は難しいです。もっと子どもが「できた」と思える支援ができるように、工夫を重ねていきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

141六面体の教材

子どもがカードを黒板やホワイトボードに貼る際、磁石がついていない面を黒板等に向けてしまって、なかなかうまくいかない…ということがあります。であれば、すべての面に磁石がついていればどうなるでしょうか? どの面にも同じ絵を貼ってあげれば、すごく扱いやすい教材になるのではないでしょうか? そのようなコンセプトから作られたのが、この教材になります。

 

 

 

 

 

 

磁石の反発を押さえてボンドで固定するために、かなり多くの木、本などで重みをつけて強引に押さえてつけています。

実際に作成してみると六方向に働く磁力が互いに打ち消し合い、貼りつく際の磁力が弱くなってしまいました。木のサイズがもう少し大きければ、磁力の干渉の具合が変わってくると思われます。しかし木が大きすぎると重くなりすぎ、また手に収まりにくくなるでしょう。それぞれの子どもの課題に合わせて、教材教具の工夫を行っていきます。

 

 

 

 

 

 

完成品です。同じ絵と絵が、どの面同士であってもくっつきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

140ひもで絵を描く教材

特別支援教育でよく活用される教材の中で、「輪ゴムで図形を作る」ものがあります。線、図形への意識を高めるために便利なものなのですが、肢体不自由校においてはそもそも手の使い方が苦手で、扱うことが難しいという子どもを多く見かけます。

 

 

 

 

 

 

そんな中、県立塙保己一学園の特別支援教育コーディネーターに紹介していただいたのが、右の写真の教材となります。「フィロ」という商品名になります。ペン先を差し込んでいくことで線を描くことができます。もちろん自由に絵を描くことにも使えるのですが、2つ用意して図形の見本合わせてとして活用することもできます。輪ゴムを使うよりも、子どもにとって手指の操作面での負担は少ないようです。

(本校特別支援教育コーディネーター)

139箱椅子を組み合わせて作る平均台

バランスを取って歩く、というのは身体の動かし方が苦手な子どもにとって、非常に重要な課題です。安定した床の上を歩くだけでなく、その子の力に応じて、芝生の上を歩く、柔らかいマットの上を歩くなど、様々な面の上を歩いていきます。

発展的な課題として「平均台」があります。しかし通常の平均台は幅が狭いものが多く、歩行が不安定な子どもが使うにあたっては難しいところがあります。「巧技台」を組み合わせて平均台として使うというのもあるのですが、本校の備品にはありません(そのためイラストです)。そのため身近な物を活用していくのですが、例えば箱椅子(収納用のスツール)を使うという方法があります。本を大量に入れると重さと安定感がでるため、子どもにとって安心して取り組みやすくなります。なお、最初の段階では平均台は壁に沿って設置すると、子どもが不安感を持ちにくくなります。クランク状に設置するといった工夫もできます。

 

 

 

 

 

 

(本校特別支援教育コーディネーター)

138名画の分割パズル

一枚絵の分割パズルは、二分割のものからはじまり(二分割も、切片がぎざぎざのもの→まっすぐなものへ)、分割する回数を増やせば増やすだけ難易度があがっていきます。また、身近なキャラクターや家族の写真などを使えば子どもにとって取り組みやすくなります。

 

 

 

 

 

 

今回紹介するのは、意図的に、極端に難易度を上げた分割パズルです。およそ「ひらがなを見分ける基礎を育てる」といった目的であれば6~8分割のものができればよいのですが、チャレンジ精神が高く、難しい課題を好む子どものために作成されたものです。意図的に、子どもにとってなじみの少ない絵を選んでいます。なお、このパズルは大人であっても達成が難しく、10分以上かかっても作れない教員がいました。子どもが取り組む場合、下絵の上に重ねていくという形をとることになります。

 

 

 

 

 

 

高難易度のパズルとしては、名画を使う他にも「集合写真」などがあります。子どもにとって身近な物を教材にしていくのが教材づくりの基本ですが、必要に応じ、あえて身近でないものを使うこともあります。

(本校特別支援教育コーディネーター)

137数字と数量を対応させる型はめ

切片がぎざぎざになっており、数量と数字が正しく合わないとはまらないという、二分割パズルです。同じ二分割でも、一枚絵を二分割したものなどとは難易度が大きく異なります。

 

 

 

 

 

 

決してこの教材だけで数量と数字が対応できるようになるわけではないのですが、様々な数の学習の教材の1つとして押さえています。材料としては百円均一の店で扱っている、6枚セットのMDF板です。電動糸鋸で、フリーハンドで切断してあります。

 

 

 

 

 

 

なお、数字の読み方のヒントとして、数字の面の裏に、「136 数字の歌カード」で紹介した絵を貼りつけてあります。

(本校特別支援教育コーディネーター)

136数字の歌カード

数字が読めることが、数がわかるということではありません。数量(・ ‥ …)をことばに置き換えたものが数詞(イチ ニ サン)、数詞を文字に置き換えたものが数字(123)ですので、数の学習の基本は「数量がわかる」ということです。しかしながら、数字もまた、数の概念を構成する要素のひとつですので、学んでいく必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここでは「53 文字を読み上げるためのカード その1」などと同様に、各数字に対応した絵がヒントになるようにしています。「♪かかしの…」「♪たぬきの…」といった、数字の歌をモチーフにしています。なお、算用数字において「数字のジュウ」は存在しないため(漢数字には『十』があるけれど、算用数字ではあくまでも「1」と「0」を使って『十』を表現する)、独自に「数字のゼロ」の絵を作っています。

(本校特別支援教育コーディネーター)

135指先を使う教材

前回のビンのふたは手首全体の動きでしたが、指先を使い、ペットボトルのふたを開け閉めをするといった動きも、重要な力となります。このあたりは順を追って、肩→肘→手首→指先といったように、だんだんと身体の中心から末端へと使いこなせるように練習していきます。

 

 

 

 

 

 

ペットボトルの場合も、「ただ開け閉めする」というのでは見通しが持ちにくいので、ここではアクリルの棒を入れるために開けて、最後に閉めるという活動にしています。なお、アクリルの棒は直径20mm、長さ50mmで、業者に発注しているものです。なお、アクリルの棒が取り出せるようにペットボトルの底がくり抜いてあり、もう一つのペットボトルをつなぐ形でふさいでいます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

134 手首をひねる教材

前回の続きとなります。ついつい握りこみがちな子どもの手指ですが、ビンのふたやペットボトルのふたを開閉するような「ひねる」動きも大事な力となります。

 

 

 

 

 

 

ここでは、百円ショップの容器を板に固定し、不随意運動が入りやすい子どもであっても操作がしやすいように工夫してあります(容器の形に木を切り、接着)。ここでも教材の角度を工夫していて、机に平行になっているものだけでなく、いわゆる「レジスター」型の容器を使うことで、教材に角度がついています。子どもが多様な手の動きを経験できるようにしています。

また、ただ「ビンのふたをひねる」だけでは子どもにとって活動の見通しが持ちにくくなります。ここでは、「ふたを開けてアヒルを取り出す(助ける)」等の言葉かけをする中で、自然な流れの中で「ひねる」動きを行っています。なお、子どもにとって「開ける」方向か「しめる」方向か、どちらかだけが得意で、どちらかは苦手ということがあります。どちらの動きもできるように、取り組んでいきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)