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本校の教材教具

129ひもの結び方の教材

「くつひもを結ぶ」というのも、非常に難しい課題です。ひもを結ぶために中腰になるということ自体が難しいわけですが、それは椅子に座るなどすることで補うことができます。また、身体の動かし方が難しい子が何から何まで自分で行う必要はなく、「人に頼む」というのも重要な力です。そもそもくつひもを必要としない靴を選ぶ、ということも選択肢としてあがってきます。

 

 

 

 

 

 

とはいえ、ひもの結び方を実際に練習していくならば…というのがこの教材です。板目表紙で靴を作成し、子供が操作しやすいようにしています。

ここでは靴ひもは一色ですが、場合によっては二色に分けて、ひもとひものの空間関係がわかりやすいようにすることもあります。支援は少なすぎず、多すぎず、その子一人一人に合わせていきます。

また、ひもの代わりに、モールなど硬めで、形が変化しにくい素材を使うこともあります。

(本校特別支援教育コーディネーター)

 

128ひらがな学習用の枠

「126線学習用の枠」では、円、三角、十字といった、様々な線の学習に向けての教材を紹介しました。今回は、それらの線の学習の総決算、ひらがなという複雑な線を捉えるための教材を紹介します。『Ⅳ文字や数を身につける際の教材』として考えています。

ここでは、「り」と「よ」という2つの文字があります。どちらの文字の方が捉えにくいのか、ということだと、これは「よ」の方が難しいという子供が多いでしょう。「り」は2本の線がそれぞれ独立していますが、「よ」は同じく2本の線でできているものの、2本の線が一点で接し、さらには途中でぐるりと回る中で交差していきます。

 

 

 

 

 

 

他にも、「あ」「め」「ぬ」「す」「れ」「わ」「ね」など、子供が捉えにくいひらがながあります。これらの複雑な線による文字は「字を見る」だけではなかなか捉えることが難しく、「書く」こと等を通して学んでいくことになります。しかし、身体の動かし方が難しい子どもたちにとって、「書く」ことこそとりわけ難しいことになります。立体的な枠を使い、最初は「指を使ってペグを移動させる」ことから始め、「棒を使ってペグを移動させる」など、書くことへ向けた学習を進めていきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

127各種スイッチ教材と因果関係の理解

「48積み木倒し」「72押したら鳴る教材」でも物事の因果関係の理解に向けた教材を紹介してきました。因果関係の理解というのは、「ボタンを押したらブザーが鳴る」「積まれている積み木を触ったら倒れる」といったように、「何かをしたら」「何かが起きる」ということに見通しが持てるということです。

 

 

 

 

 

 

因果関係の理解は様々な教材を通して学ぶことができますが、今回紹介するのはスイッチによるものです。スイッチ教材といっても、様々なものがあります。前半の「何かをしたら」ということについては、レバー式のもの、ボタン式のものなど。また、「何かが起きる」ということについては、「ぬいぐるみが動く」「扇風機が回る」「音が出る」など。それらの組み合わせにより、子供にとっての分かりやすさが変わってきます。『Ⅰ手や目を使う基礎を整える教材』として使うことを想定しています。

例えば「赤外線センサーで水が流れるトイレ」があるとします。これもある意味スイッチ教材の一種であるわけですが、子供にしてみると赤外線センサーよりも、レバーを倒したり、ボタンを押したりした方が「自分が何かをした」ということに気づきやすいでしょう。したがって、「赤外線センサーで水が流れるトイレ」などは因果関係の理解がわかりにくいということになります。

また、ボタンを押すようなスイッチだったとしても、その結果が「ボタンを押して10秒後に、ぬいぐるみの目が一瞬だけ動く」といったものだったらどうでしょう。これもまた、子供にとって因果関係の理解がわかりにくいということになるでしょう。

「何かをしたら」「何かが起きる」ということについて、子供にとってわかりやすいものから、徐々に学習を積み上げていきます。それらの小さな見通しの積み重ねが、毎日の生活の中での、見通しを持った行動につながっていきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

126線学習用の枠

前回の125では「縦に積む」ことから「横に並べる」ということで、点から線へという学習の流れを紹介しました。今回は「線の学習」という中でも、様々なバリエーションのものを紹介していきます。『Ⅱ見分ける学習の教材』として想定しています。

 

 

 

 

 

 

最もシンプルな「線の学習」の教材は、「51スライドブロック」となります。運動の始点から終点までがまっすぐで、線の始まりと終わりが明確です。

 

 

 

 

 

 

一方、さらに進んだ内容の教材として、これらのものがあります。「円」「三角形」といったような「終わりのない」線を学ぶためのもの、また、「交差した」線を学ぶためのものです。他にも様々な種類の「線」を学ぶ教材があります。これらの学習に丁寧に取り組んだうえで、例えば「あ」「め」「す」のような、線が複雑に交差したひらがなの学習にも進んでいくことができます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

125縦に積むことと、横に並べることの違い

たとえば「③鉄球入れ」で紹介した教材ですが、鉄球を枠に入れていくにしても、「縦に入れていく」場合と、「横に並べていく」場合とがあります。大人にしてみるとどちらも変わらないような気がするのですが、子供にしてみると難易度に大きな違いがあり、「横に並べる方が難しい」ということが多いようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

縦方向の学習からはじめ、横方向に進んでいきます。それは、筒という「点」に入れていくということから、横に並んだ穴という「線」に入れていく学習に進んでいくということでもあります。さらに学習が進んでいくと、「⑪アクリル棒さし」で紹介したような、「面」を捉える学習にも取り組めるようになっていきます。これらの点から線、面へといった学習は「点結び」「迷路」といったプリント学習、タブレットのアプリでも行うことができるのですが、やはり、実際の教材を操作していくことで学びやすいことがあるようです。

 

 

 

 

 

 

(本校特別支援教育コーディネーター)

124 食事をしやすくする教材

121では書字、122では切ることをしやすくする教材を紹介してきました。今回は食事をしやすくするための様々な道具を紹介します。

子供の手の角度に合わせて曲がっているスプーンやフォーク、持ち手をつけてあるコップ、ふちに角度がついていてスプーンですくいやすくなっている皿など、子供の手の使い方、食べ方に合わせての調整、工夫があります。特に、お皿に重みがついていると、ふとした手の操作でお皿が動かなくなり、食べやすくなる子供が多いようです。

 

 

 

 

 

 

121の「書字をしやすくする教材」でもそうでしたが、これらの道具の工夫に加え、お盆やお皿の下にすべり止めを敷くなどすると、格段に食べやすくなることがあります。

123ボタンの練習の教材

衣服の着脱におけるボタンの使い方、ジッパーの使い方なども、身体の動かしにくい子供にとってはつまずきやすいところです。ボタンを大きくする、ジッパーにひもをつけるなど「それらを使いやすくする」という支援の方向もあるのですが、「117ジッパーの教材」に続き、今回はボタンの使い方そのものを練習するための教材を紹介します。

 

 

 

 

 

 

百円均一の店で売っているフェルト生地、ボタンを材料に、その子が好きな絵本のキャラクターをモチーフにしてみました。今回はフェルト生地をそのまま使っていますが、子供によっては素材が軽すぎて、扱いにくい子もいることでしょう。フェルトを袋状に縫い込んで、中に重りを入れ、子供が操作しやすくする、といった工夫もできるでしょう。いずれにしろ、一人一人の子供の興味関心、身体の使い方といったことに合わせて教材を工夫していきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)

122さまざまなはさみ

前回は様々な「書く」ための道具を紹介しました。今回紹介するのは、さまざまな「切る」ための道具、はさみです。「切る」こともまた、身体の動かしにくい子供にとって、難しい課題となります。難しいあまり、教員が子供の手を取り、実際には子供ではなくて教員が切っている、という状況も起こりがちではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

子供自身の力で切れるように、というのがこれらの教材です。持ち手が丸くなっているカスタネットばさみなど、さまざまなものがあります。はさみを机に固定でき、体重をかけるだけで切れるようになっているものもあります。デジタル教材なども増えている昨今ですが、自分自身の力で書く、切り落とすといった経験もまた、非常に重要なことではないでしょうか。

(本校特別支援教育コーディネーター)

121 書字をしやすくする教材

身体の動かし方につまずきのある子供にとって、「書く」ということは非常に難しい学習となります。運動の発達は首の座りといったことから進んでいき、肩、肘、手首、指(小指側から親指側へ)とだんだん身体の末端へと進んでいきます。指を上手に使えることで「書く」ことができるようになっていくわけですが、どうしても道具を握りこみがちで、自在に筆記具を扱いにくい子もいます。

 

 

 

 

 

 

⑫「トーキングエイドライト」のような機械を使っていく、という方法もあるのですが、「自分の名前は書いてみたい」という子供もいます。そのための道具には、写真にも写っていますように、様々な物があります。子供の手の様子、身体の動きによって使いやすい道具は一人一人異なってきます。基本的には細いものよりも、持ち手の部分にある程度の太さ、丸みがある方が持ちやすいという子供が多いようです。また、長すぎるものも扱いにくいことが多いようです。

特別な道具を使わなくても、「プリントの四隅をセロテープで机やホワイトボードに固定する」「すべり止めシートを使う」といった、ちょっとした工夫で書きやすくなることもあります。

(本校特別支援教育コーディネーター)

120簡単につくれるマトリクス

前回119で紹介したマトリクスは、かなり手間がかかったものでした。とはいえ教材は手間暇をかけることが目的ではありません。子供が使いやすければ、子供が学べればそれでよいのであって、教員が出来栄えに満足するために作るのではありません。今回はマトリクスを簡単に作る方法を紹介します。『Ⅱ見分ける学習の教材』となります。

 

 

 

 

 

 

百円均一の店を活用するとよいでしょう。色と形、3×3のものであれば、

・透明(あるいは白)磁石3個、赤・青・黄色の磁石4個ずつ

・動物や食べ物などのシール、3種類を4枚ずつ

・ホワイトボード

・油性マジックペン

・30センチ定規

があれば十分です。

 

 

 

 

 

 

(1)ホワイトボードに4×4の枠を書きます。

(2)磁石にシールを貼ります。

(3)並べます。

完成です。

子供によっては、これで十分に学習することができます。必要に応じて、「すべらせる動きで操作できるようにする」「手で握りこめるサイズにする」といった要素を加えていったのがこれまでに紹介してきたものです。

支援は多すぎても、少なすぎても「その子」には合いません。その子一人一人に合った教材教具を工夫していきます。

(本校特別支援教育コーディネーター)